人とイルカの構造差について

海洋哺乳動物としても親しみがあり、構造が近いイルカ類(シャチを含む)を我々の水中移動の先生として考え、共通点について考えてみました。

1「人とイルカの共通点」
上の図は人が海中移動する様子として横にしてイルカと比較してみたものです。
人とイルカでは体型は全く異なると考えていたのですが、上記の様に図を作成し比較してみたところ、位置関係があまりにも近いことに驚かされました。

位置関係を比較するために設定した基準点を説明致します。 ミナミバンドウイルカは平均的に体長2.2~2.5m程度で体重が150㎏前後になります。(個体差有り)
頭部ですが、イルカの頭蓋骨はとても大きく、ワニの様な尖った顎を持っています。 よって、頭部全体の質量はとても重くなっています。 人との比較では目の位置を合わせてみました。
体長ですが、イルカの尾びれには骨格がなく、硬質ゴムのシートの様な弾力があります。(ウミガメとは違うのですね)
よって人の足の甲の部分をイルカの足の先端として捉え、
一方で人がつけるフィンをイルカの尾びれとして考えても良いのではないでしょうか。
イルカの胴体は、大きなストロークを生み出すための脊椎の延長があり、内臓部分の終わり(肛門や生殖器の位置)を人間の胴体のエンド部分と見なしてし良いでしょう。実際に大きく上下動する部分は、胴体とは異なり、背中側にキールを持ったような流線型の断面をしています。これにより上下動における抵抗を減らしているのです。よってこの部分は人間の足に相当します。
このように見てみると、平均的な人類の足の長さの比率と近いことがわかりました。 また肩の位置、つまり腕の付け根の位置もこうして見ると同じと考えられます。

このように人とイルカの体型は非常に似通った比率があります。
さて、大きく違う点は、足ヒレとムナビレ部分です。
また、前述の様に上半身と下半身の体積比率異なります。イルカを上部から見た図で明らかな様に頭部の幅や質量は大きく、腰から下は非常に細くなっています。 
イルカは全身をウェービングさせるわけですが、特に胴体から下を大きくストロークさせ、流線型の尾びれによって効果的に揚力を発生させて大きな推進力を生み出しています。 

以上イルカと人の構造的な共通点と違いについて説明しました。
次に、この構造的な違いをどの様に乗り越えるかについて 2「人がイルカになる為に」で説明します。